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「いや、失礼。私としたことが、さっきは取り乱してしまった」
スーツを着た生物は冷蔵庫に入っていた食べ物をかじり、散らかっている机に立っている
……ありえない
こんな小型の人間が存在するはずがない。俺の目の前にいるこいつの大きさは目算だが、20~30㎝ってところだ
ここまで小型の人種は確認されてないし、第一、これは人間なのか?
「貴様の動揺する気持ちも判る。私もまさか人間に見つかるとは想定外だった」
人間に見つかるとは?
やっぱりこいつは人間じゃないのか…
いやいや!なに分析してるんだ、俺!こんな生き物はありえない!
きっと夢だ、夢に違いない!
「だが安心しろ。私と出会った記憶は私が消してやる。覚えていてはなにかと面倒なのでな」
小人は片手を俺に向け、なにやらブツブツと呟きだした
「我、ギトバストゥス・ガンルラ・ヴィランスの名に於いて、“corridor vanish”を施行する!」
突如、俺の周りに幾何学的な模様が描かれた意味不明な陣が現れる。
なんなんだ、一体。こいつ、なにする気だ!
「大丈夫だ、痛みは無い…貴様は今から深い眠りにつき、目覚めたら私と出会った事は忘却の彼方に消えている。…対象確定……発動!!」
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