90%の拒絶と10%の懐かしさ

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  「言う訳ないでしょ!学生のバイトでもあるまいし!!」 「……俺は本気や。七香が言うんやったら、」 「だから、言わないっての!!」 思わず上げた大声に、 でも、詠二は未だに真剣な表情で、やっぱりため息が漏れる。 何? もしかして、コイツの方が傷深くない?? 何でよ?? 被害者は私なのよ!! って言うか、アンタ誰よ?ってカンジ。 私の知ってる詠二って、こんな奴だっけ? もっと、人を滅多切りにする奴じゃなかった?? 「あのさ、同じ職場で働いていかなきゃならないんだから、少なくとも仕事中は忘れましょうよ。昔の事は」 「……七香は、それで平気なん?」 「5年も前の事でしょ?それに、私より詠二の方が辛そうだし?目の前から消えて貰うよりも、目の前で反省してる姿見てる方が楽しいじゃない」 言い切った私に、 「自分。その性質の悪さ、少しも変わってへんやん」 と返してきて、 ようやく知ってる詠二の姿に、少しだけ懐かしさを感じた。 でも、そっか。 殴られた方は当然痛いけど、殴った方も痛いもんね? ソレと同じ? や、違うか?? 「とりあえず、その過剰な迄に私の前から消えようとするの、仕事中はやめてよね」 「……わか、った」 「仕事以外の時は、キレーに消え去ってくれて構わないから」 それでも、この人はシッカリと傷ついていて、 本当、どうかすると、私よりも引きずっていたのかもしれない。 「……ごめん」 「謝って済む事じゃないんでしょ?」 「ごめん」 だぁかぁらっっ!! 「詠二。あんた、ウザイ」 「っ、」 ホント、こんな奴だっけ? 大学時代は思った事を口にしあって、悪態ばっかついてたしなぁ。 そっか。 一緒に居る時間は長かったけど、知ろうとした事もないから、知らなかったのかも。 ま、別に知らないままで構わないんだけど。  
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