75%の恐怖と25%の罪悪感

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  ふと、気配を感じて目を開ければ、 「っ、あ、」 至近距離に、慌てた顔の高橋くん。 居眠りしている間に、どうやら襲われそう?になってた様だけど、 「って!今、何時!?」 ふと時計を見れば、会議まで15分。 「あ、あの、」 「起こしてくれて、ありがとね!」 だから、私はソレには気付かなかったフリをして休憩室から逃げた。 危ない、危ない。 私って、隙あるのかな? まさか会社で、後輩に寝込みを襲われかけるとは、ね。 ドラマみたーい。 「…………、」 「あれ?詠二」 休憩室を出れば、詠二が微妙な表情を浮かべて立っていて、 「何よ?」 「や、……起こしてくれて、ありがと!は、ちょっと可哀想やないか。と」 ……見てたのか。 「仕様がないじゃない。思わせぶりな事できないもん」 「一緒に居ったら好きになるかもしれんやろ?」 「一緒に居たくらいで好きになるんだったら、世の中が両想いで溢れて大変ね?」 言う私に、苦い表情を浮かべる詠二は、きっと可愛くない女。とでも思ってるんだろう。 もっとも、可愛い。なんて思って頂かなくたって結構なんだけど。 「それに大学時代、私は半年以上アンタと一緒に居たけど?」 「……、」 「だから、そーゆー顔しない!でも、思い出してみなさいよ?好き。なんて感情、欠片も湧かなかったでしょ?」 見上げた私に、詠二は複雑な表情。 この泣きそうな、情けない表情を見るたびに罪悪感に似た気持ちになる。 だから、私が被害者なんだってば!!! と、叫びたくなる。 * * * 少し長めの会議を終えて、就業時間間近。 「この脚立借りていーですか?」 「あぁ、どーぞ」 明日使うから。と先輩に頼まれた資料を探す。 ソレを見つけたら、今日のお仕事終了。 「よぉスカートで脚立にのぼるな?自分」 「見たら見料とるわよ」 制服のまま脚立にのぼる私に、詠二の呆れた様な声。 「……、ちょっ、鈴木さん!!その脚立、」 「え?」 ふと志保さんの声が響いて、 振り向こうとした途端、足許のバランスが崩れた。 「七香っ!!」  
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