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彼女もいない、部活も帰宅部、な俺の下校はかなり速い。夕方のドラマの再放送が見れるくらいだ。今日も例外無くまっすぐ帰宅。来年辺り、帰宅部部長になりそうな気さえする。
そう、そう。こんな暇な俺でも今日はやることがある。言うまでもないとは思うが、キリコが待っているのだ。さすがに家で呼びかけて怒られることはあるまい。あの時言ってた石のパワーとやらの寿命は気になるが…まあ大丈夫だろ。一、二回喋って終わりということはないと思う。そんなの詐欺だ。じゃあ、とりあえず呼んでみるとしよう。
(キリコ~!ただいま~!)
『あ、おかえり。』
(何か素っ気ねぇなぁ。もっと、ご主人様を迎える的な…。)
『誰もあんたのメイドになった覚えないわよ。友達にただいまもどうかと思うけどね。』
(失敗したな。なんで俺友達とか言っちゃったんだろ。恋人にしとけばもっとイチャつけたのに!)
『あんたねぇ。想像してみなさいよ。妄想でいつもイチャついてる男なんて気持ち悪いわよ。』
(妄想じゃねぇ!これは現実だ!)
『何よ。そんな怒らなくてもいいじゃない。』
(あ、悪りぃ。でもさ、俺ホントにうれしいんだよ。今まで女の子と親しくしたことなんかないし、女友達もいない。別に苦手っていうことじゃないけど、そう思えるほどの女の子と出会ってなかったんだと思う。でも今は…。だから、仮にこの世界の人じゃなくてもうれしいんだよっ!)
うわっ、やべぇ。今、何かすげぇこと言わなかったかぁ!?
『え、えっ…!?そんな風に思ってくれてたの?な、何か照れるじゃない。いきなりそんな事言わないでよ。』
あ、キリコが今デレてなかったか?
(じゃあ、今度ミッションクリアしたら付き合おうか?)
『もぉ~。何でそんな事ばっかお願いするのよ。せっかく何でも叶うのにもったいないと思わない?』
(いいや。別に。だって他に思いつかないし。)
『まあ、普通はお金の方にいって人生だめにしちゃうから、それよりはいいかもしれないけど…。』
(それよりもさぁ、問題はミッションなんだよ。何かヒントとか無ぇの?)
『私も全然分かんないもん。ただ言えることは、世の中の流れ的にプラスの行動をとった時ね。神さまが悪いことした人にご褒美与える訳ないんだから。』
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