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そりゃそうだ。すっかり忘れていた。あの時ブラックアウトが起きたのも命を救った時だった。また命を救えってか。
『別にそこにこだわんなくたっていいじゃない。大きくても小さくてもいい事はいい事よ。』
(てか、俺らしゃべり過ぎじゃね?石の効き目はまだ大丈夫か?)
『あ~あれね。嘘よあんなの。あんたが授業に集中しないからよ。』
(でたっ!!やっぱこいつと付き合うと大変かもな。ま、でもちょっと長く話し過ぎた感があるからまた今度にするか。)
『あ、そうそう。宿題ちゃんとやっときなさいよ。明日当てられるんでしょ?』
(……確実に忘れてた。嫌なこと思いださせんなよなぁ。でも思い出させてくれて助かった様な…。じゃ、またな。)
石を離した。何か電話を切った様な感覚だな。『いい事』かぁ…。狙ってやると『いい事』じゃなくなるんだよな。まあ考えるまい。俺は何も考えなくて『いい事』をした『いいやつ』なのだ。うん、知らないうちにまたするさ。今度クリアしたらどうしようか。やっぱキリコと親密な関係になるしかないかぁ。いや、ちょっと待てよ。相手は天使だ。所詮仲良くなったところで先がない。やっぱ普通の人間を好きになった方がいいのだろうか。もちろん、好きになろうとして好きになるものではないが…。こういうのって難しいよな。やっぱ俺は苦手だな。すぐいろんなことを考えてしまうからな。なるようになれっ!わしゃ知らんっ! 今日は何か疲れた。いろんなことがあり過ぎた…。
………!?。やばっ、寝てしまった。明らかに差し込む光が朝だ。普通、晩飯時に起こしに来ねぇかぁ?どれくらいぶりの早起きだ?てか早起きなのかこれは。時間的には新聞配達のバイクの音がしてるから早朝で間違いないだろう。今日は遅刻しなくてすみそうだ。でも何となく納得いかない寝起きだなぁ。しかも時間が早すぎて何していいか分かんねぇし。あっ、そうだ。キリコと話そ。
(お~い。起きてるかぁ~!)
『起きてるわよ!って言うか寝ないわよ!天使なんだから人間界のことをずっと見てないといけないの!』
(天使は寝ないのか。天使が寝てるとこ想像したらヨダレもんだけどな。)
『朝っぱらからしょうもない事言ってんじゃないの。ホント全体的に頭ん中がゆるいわね。』
(おっ。そっちこそ朝イチからツンツンかぁ?)
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