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ヒット。やつの首が飛んでいきそうなクリーンヒット。
その時だった。急に辺りは真っ暗になり、ここはどこなのか、時が流れているのかさえ分からない異質な空間が広がっていた。すると、どこからか声が聞こえた。いや、頭の中に直接入ってきた様な感じだった。
『おめでとう!あなたは選ばれたわ。』
(!?)
ん?ポカンとしていたら暗闇に一筋の光が現れた。そして、その光は徐々に人の形を形成し、一人の女性を生み出した。
『聞こえなかった?だからあんたは選ばれたの!さっきみたいに人の命を救ったり、人生を大きく変えたりすると時に神さまが行いを認めてくださって、私の様な使いをよこすのよ!つまり神さまに気に入られたのよ!』
その女性は、髪は綺麗な金髪、そして白っぽいローブの様なものを身に付けている。何だか若干怒られたが、訳分からんから落ち着いて聞くことにした。
「で、神さまに気に入られるとどうなんの?」
『一つだけ願いをかなえてあげるわ。』
何かと上からものを言うなこの人。でも、顔は幼く見えるがどことなく落ち着いた感じもする。こういう女の子がツンツンしているのは、実は俺的にはありなのだ。しかし、急に願い事と言われても全然出て来ねぇ。
「じゃあ、俺と友達になってってのはダメ?」
『はぁ!?何言ってんの!もっと、こう受験に受かりたいとかあれが欲しいとか無いの!?』
おっと、焦ったところがまた可愛い。
「いや~別に受験はまだ二年だし、欲しい物も特にこれと言って…。何でもいいんでしょ?」
『まあ…別にきまりはないけど…。』
「じゃあいいじゃん、友達で。ところで名前何て言うの?」
『なっ、名前……キリコだけど、それが何なのよっ!』
「キリコかぁ。俺は京介。これからよろしくっ!」
『これからってどういうことよっ!私はもう帰るわよ!』
俺もただ漠然と友達とか言っちまったけど、この後どうなるんだ?
「やっぱ帰るのか?友達になったばかりなのにもう会えなくなるのか?」
『えっ?でも私も仕事があるし…、こんな願い事されたの初めてだし、友達ってどうすればいいの?』
「友達って…」
友達って何だ?どういうのが友達だ?遊べば友達か?いつも一緒にいるのが友達か?
「友達って……離れていようが近くにいようが、その人のことを思いやることのできる関係…ってとこかな。」
何か柄にも無いこと言っちまったな。
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