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のんびりと朝の散歩を楽しんだ俺は、学校の校門の手前で早歩きにシフトチェンジ。こういう事はちゃんとやるぞ俺だって。そして、教室の後ろのドアを申し訳なさそうに開ける。速攻で先生と目が合う。
『おはよう、伊田。』
「お、おはようございます。」
『おい。何座ってんだ?こっちに来て何か言うことあるだろ。』
やっぱ流してくんねぇのか。とほほ。
「すいません。寝坊しました。」
グーか?出席簿か?…出席簿だ。こっちの方が痛くないんだよな。って、おい!角度が!
(コンッ!!)
痛ぅ…、角かよ!音のわりに痛いんだよなぁ…痛ぅ…。
『座れ。』
あっ、そう言えばブラックアウト来なかったな。今のはミッションじゃないのか。ま、考えてみれば、さっきキリコが出て来た時にすでに遅刻は決まってたから、あの時点で先生にコツかれることは予想できたもんな。もっと予測不可能なことかぁ。一生ミッションクリア出来なかったりして…。
それにしてもこの石。マジかぁ?今でも話し出来んのかなぁ。いっちょやってみるか。石を握って…、
(キ~リ~コちゃんっ!)
『バッカじゃないの!ちゃんと授業聞きなさいよ!』
(おぉ~!!)
確かに聞こえた!ツンツンキリコの声が。
『あんたねぇ、こういう事をするためにあの石渡したんじゃないんだからねっ!』
でたぁ~!!AのためにBじゃないんだからねっ構文!!ツンデレの定義とも言えるこのお言葉。テストに出るぞぉ~!
『本当いい加減にしないと、ずっと話せるわけじゃないのよ!そのうち、その石が持つパワーもなくなってそこで私たちの関係も終わり。』
(えっ!!)
そういうことを先に言えよな。こんなとこで使わなかったのに。
(じゃ、またな。)
『好きにしたらっ。』
石から手を離した。ちょっと怒らせたかな。そんなに授業中にやったのがまずかったのか?何もあんなに怒んなくてもいいのに。しかし、デレがなかなか出ないよなぁ。
『おい!伊田!何かさっきから、ヘラヘラしたりしかめっ面になったり。ほかの事考えてたろ?明日宿題当てるからな。』
今日はいい日なんだか悪い日なんだか…。
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