第1話

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「はい?」 インターホン越しに聞こえる外界の音。 『私。神田美月(かんだみつき)』 数少ない凌と同い年の幼なじみ。 最近は会うこともなかった心を許せるはずの友人。 「美月…」 『凌、開けてよ。』 しかし、彼が扉を開けることはなかった。 『凌?』 「帰れよ…」 「しの…」 『帰れ!』 彼女は言葉もなく帰って行った。 誰も中には入れない。 ここは俺の城だから。 誰の言うことも聞かない。 俺は俺のものだから。 それでも毎日なり続けるインターホン。 鳴らしているのはあの日、なにも言わずに帰っていった美月だった。
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