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「はい?」
インターホン越しに聞こえる外界の音。
『私。神田美月(かんだみつき)』
数少ない凌と同い年の幼なじみ。
最近は会うこともなかった心を許せるはずの友人。
「美月…」
『凌、開けてよ。』
しかし、彼が扉を開けることはなかった。
『凌?』
「帰れよ…」
「しの…」
『帰れ!』
彼女は言葉もなく帰って行った。
誰も中には入れない。
ここは俺の城だから。
誰の言うことも聞かない。
俺は俺のものだから。
それでも毎日なり続けるインターホン。
鳴らしているのはあの日、なにも言わずに帰っていった美月だった。
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