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太(もうちょっと時間くれてもよくないか!あぁ~、捕まるにしても抵抗してからじゃないといけないよな。)
太一はそう心の中で呟くと、動くことなく向ってくる勝也と黒スーツの集団を待った。
そして、最初に近づいてきた黒スーツの集団の先頭の黒1がぎりぎりまで近付くまで待ち、近付いてきた所で黒1の腹に素早く拳を打ち込んだ。
黒1「!!…っ……。」
いきなりの事に黒1はまともに太一の拳を腹に受け、その場にうずくまった。
太(よしっ!)
太一はそのうずくまっている男を踏み台にして黒スーツの集団を飛び越え、国見和雅の前に着地した。
太(よっしゃ!飛び越え成功。って国見和雅が居たし!)
太一は小さくガッツポーズをしたが、前を向いた瞬間目の前には国見和雅が居た。
和「あれ、僕の事忘れていたみたいですね。」
そんな太一に和雅はクスッと笑ってそう言った。
太(くそっ!このままじゃすぐに後ろの集団に追い付かれる。国見1人なら何とか逃げるかな。)
太一はそう考え、和雅に向かって拳を打ち込むふりをして横を通って逃げようとした。
が、
太(はっ?こいつ俺を足止めするつもりなしか?)
和雅は顔に微笑を浮かべたままその場から動こうとしなかった。
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