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千「という事は…結果的にこの3つの反応の所には太一は居ないって事になるわよね。」
匡「あぁ。高い可能性でそうだろうな。」
匡一はなおもごそごそと鞄の中から何かを出し、作業をしている。
千「どうしよ匡兄…ってさっきから何ごそごそしてるの?…!!何それ?!」
千奈はまたも焦ったように匡一の方を向きながら言ったが、振り向いた千奈の目に入ったのは、匡一のノートパソコンと小型のテレビだった。
匡「実はな。朝、念のために太一にわからないように新型の発信機つけたんだよ。」
千「新型?」
匡「そうだ。肌の色と同じ色しててな。小型だけど機能性は抜群。盗聴機能までついてるんだ。」
匡一はノートパソコンを操作しながら言った。
千「それって匡兄が作ったの?」
千奈は匡一の作業する様子を見ながら聞いた。
匡「いや、これはこの前の店で買ったんだ。前からこんなのがほしいと店主の冬治さん言ってたら仕入れてくれてたんだ。」
千「へぇ。…って事は太一の居場所が分かるかもしれないってこと?」
千奈ははっと思いついたように言った。
匡「そうだ。ただし気づかれてなければな。よしっ!つながった。」
千「えっ?!」
匡「気づかれてないみたいだな。」
匡一がそういうと同時に、
ガガ…ガガ…ゴー…ガッ…
という音がスピーカーから聞こえてきた。
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