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ゲンコツを受けた千奈は頭を押さえてその場にしゃがみこみながら、
千「い、痛い…匡兄いきなりゲンコツはひどくない?」
涙声でそう言った。
匡「これで落ち着いて、冷静な判断ができるようになっただろ。」
匡一はニヤリと笑ってそう言った。
千「うん、ありがとう匡兄。待っててすぐに調べるから!」
千奈はさっきのような焦った表情ではなく、何か吹っ切れたような表情で再びパソコンに向き直った。
その千奈の様子を見て、
匡(なんとか落ち着いたみたいだな。やっぱり、千奈も太一と一緒で単純だな。)
匡一が心の中でそう思っていると、
『ガ……このまま○▽県のガガガ…に…ガァァァ…良いですか?』
『そ…ガァ…よ。そこに…ガー…ゴォォ…から。』
という声が盗聴器から聞こえてきた。
匡一はその断片的に聞こえてきた言葉を頭の中で整理した。
そして、
匡(…○▽県だと…。もしかして緑はあの場所に太一を連れていくつもりか?!)
頭に浮かんだ太一の居場所に匡一は驚きを隠せなかった。
そんな匡一に、
千「匡兄、ラーにつけた発信機とカメラの反応キャッチできたわよ!」
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