・太一失踪

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千「えっ?!」 匡一の言葉に、千奈は驚きの声をあげた。 匡「さっき盗聴器から聞こえてきたんだ。『○▽県』って言葉が。」 匡一は驚いている千奈に説明した。 千「という事はもしかして…あの場所に太一を連れていくつもり…。」 千奈は難しい顔をしてそう言った。 匡「おそらくな。」 匡一がそういうと、同時に コンコンコン! 窓をたたく音が聞こえた。 匡・千「…ラー!!」 窓を叩いていたのはラーだった。 ラーの姿を見つけた匡一はすぐに窓を開けてラーを部屋の中に入れた。 ラ「…カァ……カァカ…。」 ラーはフラフラと部屋の中に入ってきた。 匡一と千奈はすぐにラーのそばに行った。 匡「…ひどいな…。」 千「うん、片方の羽が変よ。」 匡「この状態で良くここまで。千奈、笑美に電話して獣医に連絡してもらえ!」 千「わかった。」 千奈はすぐに電話で笑美に事情を話して獣医を呼ぶように伝えた。 その間、匡一は他に怪我がないかラーの体の隅々を見ていった。 そして足の見た時、匡一のつけたカメラのほかに1枚の紙が括りつけられていた。 匡「やっぱりカメラを逆につけられてたんだな。」 ラ「カァ……。」 ラーはそう鳴いて頭を下げた。 匡「ラー気にするな。今回は悪かったな。少し荷が重かったな。もうすぐ医者が来るから辛抱してくれよ。あと、この紙もらうな。」 そう言って、匡一はラーの足の紙を取った。
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