・太一失踪

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千「そうなんだ。…ん、ってことは沢木は匡兄が今日太一が体験に行く前につけた発信機に気づいてないって事よね?ちゃんと反応してるし、盗聴器から声も聞こえるし。」 千奈は匡一の方を向いて言った。 匡「あぁ、気づいてない可能性が高いだろうな。気づいていたら、外しているだろ。盗聴機能付きだしな。」 千「そうね。」 匡「まぁとりあえずこれで、太一がすぐに殺される事はないってのはわかったな。」 匡一はもう一度グシャグシャにしてしまった紙を広げ直してそう言った。 千「うん。でも呑気にはしてらないわよね。いつ沢木の機嫌が変わるかわからないし。それにしても、最後の『太一君にも匡一と同じ目にあってもらう予定』ってどういう意味なのかしら?」 千奈は不思議そうに首を傾げて言った。 匡(…○▽県…俺と同じ体験…。…緑の考えそうなことだ。) 匡一は目をつむり、今得た情報を頭の中で整理して、さっき心の中で浮かんだ考えがあっている事を確信した。 千「匡兄、どうしたの?」 黙ってしまった匡一に千奈がそう問いかけると、 匡「千奈、緑が最後に書いてたそのセリフはそのままの意味だ。」 匡一は厳しい顔をしてそう言った。 千「そのままの意味……!まさか、そんな事って!」 千奈はぱっと自分の頭に浮かんだ考えに大声でそう言った。
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