4273人が本棚に入れています
本棚に追加
電話が切れた後。
匡「これで矢沢栄吉から電話がかかってくれば良いが。千奈、電話掛ってきた時に、矢沢栄吉がどこに居るのか逆探知するから準備するぞ。」
千「了解。」
2人は矢沢栄吉から電話がかかってきた時のための準備を始めた。
数分後。
コンコンッ!
ドアをノックする音が聞こえ、
笑「失礼します。」
笑美が部屋に入ってきた。
そして、ソファーにぐったりとしているラーを見つけ、
笑「!まぁ、誰がこんな?!」
目を見開いてそう言った。
匡「笑美、医者はまだか?」
匡一は驚いている笑美を気にすることなく聞いた。
笑「は、はい。もうすぐ来られると思います。それより、このまま運んでも大丈夫でしょうか?一応のためにタオルは持ってきたんですけど。」
笑美はタオルを広げながら言った。
匡「大丈夫だ。でもあまり翼に当たらないように軽くタオルでくるんで連れて行ってやってくれ。あと、医者の診断結果が出たらすぐに伝えてくれ。」
笑「はい。あの何故こんな大けがをしてるんでしょうか?」
匡「他のカラスと喧嘩したみたいなんだ。なぁ、ラー。」
ラ「カァ…。」
匡一の問いかけに、頷くようにラーが力なく鳴いた。
笑「わかりました。お医者様にはそうお伝えします。では、失礼します。」
笑美はそれ以上は何も聞かず、慎重にラーをタオルでくるむとゆっくりと抱き上げて部屋を後にした。
最初のコメントを投稿しよう!