・太一失踪

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千「…ラー大丈夫かしら?」 千奈は作業する手を休めることなく匡一に言った。 匡「翼以外に大きなけがは見えなかったから命に別状はないはずだ。診断結果が分かったらすぐに伝えてくれる。今はそれよりもやることやるぞ。」 千「そうね。」 匡一の意見に千奈も頷いた。 それから15分後。 匡「準備できたな。」 千「うん。まだ、矢沢栄吉から電話かかってきてないわよね。」 匡「あぁ。電話がかかってくるまでの間、太一の発信機の方がどうなってるか確かめるぞ。」 2人は矢沢栄吉から連絡が入るまでの間、匡一は今の太一の発信機から聞こえる音を、千奈は匡一が違う事をし始めた時から今の間までに録音しておいた方の音をそれぞれ聞くことにした。 数分後。 千「こっちの録音してある方は車の音がうるさくて全然、会話聞こえなかったわ。太一、もしかして車の荷物入れにでもいられてるんじゃないのかしら。」 録音しておいた音を聞き終わった千奈は匡一に報告した。 匡「それはどうなんだろうな。後ろの席に寝かされてるんじゃないかと思うがな。さっき、会話が聞こえたくらいだから。」 千「でも、今は全然聞こえないんでしょ?」 匡「あぁ、どうもこの音の感じ…あぁ、やっぱり山道を走ってるみたいだな。」 匡一はパソコンを指さしながら言った。
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