・電話

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匡「千奈、逆探知の準備いいか?」 千「うん!」 匡「出るぞ。」 匡一は千奈に準備ができているかを確認して通話ボタンを押した。 匡「もしもし。」 栄『もしもし、矢沢です。原田さんですか?』 電話の相手は矢沢栄吉だった。 匡「はい、すみません。お休みの日にわざわざ連絡をしていただいて。どうしても聞いておかないといけない事がありまして。」 匡一は申し訳なさそうに言った。 矢『いえ、気にしないで下さい。それで、聞きたい事というのは何でしょう?』 匡「実はこの間の打ち合わせで決め忘れていた事なんですが、オープンセレモニーの時、どれくらい矢沢さんの会社の社員さんをお借りできますかね?」 匡一はそう言いながら、目を千奈の方に向けた。 匡一の視線に気づいた千奈は、 千『あと少し!』 と口パクで匡一に言った。 匡一はそれを見て頷くとまた電話に集中した。 矢『そうですね。……50人くらいなら大丈夫ですが、まだ足りませんかね?』 匡「いえ、十分です。」 矢『それは、よかった。他には、何かありませんでしたか?決め忘れたこと。」 匡「あとは……。」 匡一は紙をパラパラとめくりながら、もう1度千奈を見た。 すると、千奈は顔をあげて、OKサインを出していた。
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