・車内

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匡「千奈、これ見てみろ。」 匡一はそう言って、携帯を片手で何かの操作した後、千奈に携帯を渡した。 千「…地図?」 携帯を見た千奈は不思議そうに言った。 匡「その地図に見覚えあるだろ。」 千「…あっ、太一の発信機が示してる位置と同じ…じゃなくて、ん~なんか位置がずれてる…。」 千奈はパソコンを開き、太一の発信機の地図の位置と匡一に渡された携帯に表示されている地図の上の赤い丸の位置を見比べた。 千「うん。やっぱり違う。この地図の上移動してる赤い丸は何なの匡兄?」 匡「それは、俺もさっき準備してて思い出したんだが、実は…。」 千「実は…。」 後ろの席に座っていた千奈は少し運転席の方に身を乗り出した。 匡「ドールに矢沢の監視をしてもらってたんだ。色々あって頭から抜けてたんだが。身を乗り出すな。ちゃんと座ってろ。」 匡一は苦笑を浮かべながら言った。 千「という事は、この地図を移動してる赤い丸って矢沢栄吉って事よね?」 匡「あぁ。その移動の速さからして車だろうな。」 千「うん。」 匡「ドールもうまく潜り込んだもんだな。」 匡一は感心したようにそう言った。
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