・車内

3/9
前へ
/791ページ
次へ
千「いつからドールに監視してもらってたの?」 匡「太一が体験に行き始めた日からだ。ちょっと、気になってドールに頼んでたんだ。ほら、この前太一に作るように言ったドールの首につける鈴型の発信機つきカメラがあるだろ。あれをつけて監視してもらってたんだ。」 匡一は運転をしながら、千奈の疑問に答えた。 千「そうなんだ。確かに、ドールにつけるもの作ってたわね。あれをつけてたのね。でも、この携帯には発信機の位置しか表示されてないわよ?カメラもついてるんでしょ?」 匡一の言葉を聞いて、千奈が不思議そうに聞いた。 匡「あぁ~、カメラつけたのは良いけどうまい具合に撮影ができなかったから外したんだ。だから、発信機だけなんだ。カメラもないし、音声も聞きとれない。」 千「へぇ~、でもこれで矢沢がどこに向かっているかはわかるわね。逆探知じゃ、その時の矢沢の位置はわかるけど、それ以降はわからないものね。」 千奈は携帯とパソコンを交互に見ながら言った。 匡「あぁ。多分、止まる所は太一と同じ所だろうがな。そういえば、太一の方からは何か音が聞こえたか?」 千「ううん。匡兄が聞きとった事以来全然聞こえない。今も、『ガタッ!ゴトッ!イタッ!ゴンッ…アタマ…ッタ!ゴットン!』って音しかしない…って今、微妙に太一の声が聞こえたわ!」
/791ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4273人が本棚に入れています
本棚に追加