・対面

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太一はそう心の中で思った。 太(まじで、どうしよう…良い案が浮かばない…。冷静という文字が頭から去って行っている。) 太一は何か良い案はないかと、色々と考えてみるものの。絶望的なこの状況に冷静さがどんどんなくなっていっていた。 とその時、顔を窓のある方に向けた太一の目に、気に停まっている鳥が目に入った。 その鳥が目に入った瞬間、 太(!!ラーが居たんだった!) 太一はラーの存在を思い出した。 太(あぁ~、そうだよ。ラーがついてきてくれてるなら匡兄と千奈は、俺の居場所わかって追いかけてきてくれてるよな。) 太一はほっと心の中で安堵した。 太(そういえば、ラーが居るから隠しカメラの前で発信機の場所をわざわざ見せたんだった。忘れてたぁ。この事匡兄に言ったら、怒られそうだから黙っとこう。…って、発信機の場所が分かってるって事はちゃんとあのカメラ作動してたんだな。) さっきまで全く余裕のなかった太一だったが、ラーの存在を思い出したため、余裕が出てきたのか、頭の中で冷静な考えができるようになった。 太(早く来てくれないかな。匡兄か千奈…。) 縛られている手足の痛みが徐々に増してくる中で太一はそう思っていた。
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