・対面

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花矢は手足を縛られ、口をガムテープでふさがれた状態で、床に倒れていた。 そして、顔は涙でぐちゃぐちゃだった。 花「ウー!ウウーウー!」 花(それ以上やったら太一が!) 塞がれている口で必死にそう言うが、その声は緑にも太一にも届かない。 そんな状態のまま、数分が経った所で、 緑「ふぅ…。もうこれ以上邪魔しないでね。じゃあ、僕は今回の計画のメインゲストを迎えに行ってくるからここで2人で大人しくしててね。黒①見張りよろしく。あっ、黒②はナイスタイミングだよ。僕についてきて。」 そう言って緑は部屋から出て行った。 太「ゴホッ!ゴッ…ゲホッ!」 緑が部屋を出て言った後、気の抜けた太一は、せき込みながら、 太(クソッ!あいつ狂ってるだろ。遠慮なしに蹴りやがって!あー、ヤバイ…肋骨何本か折れるまでは言ってないと思うけどヒビ入ってそうだな。はぁ…情けない…。) と思いながら痛みと情けなさのあまり、涙を声を出す事なく流していた。 すると、黒①が太一の所へやってくると、スーツのポケットからハンカチを出して太一の涙を拭いた。 太(なんでわざわざ涙拭いてくれるんだ?もしかしてこいつ優しい奴なのか?) 花(あの人はさっきの人の仲間じゃないの?なんで太一の涙拭いてあげるんだろう。) そんな黒①の行動に2人は泣く事をやめ、心の中で同時に思った。
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