・救世主登場

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太一は鳴き声を、聞いた後、すぐに黒①の方をチラリと見たが、黒①は鳴き声に気づいていなかった。 その事を確認した太一は、鳴き声が聞こえた方に顔を向けた。 そんな太一の様子を不思議そうに花矢は見ていた。 花矢も鳴き声には気づいていなかった。 太(俺の勘が外れてなければ、絶対にこの方向にいるはずだ。) そう思いながら、太一はじーっと鳴き声が聞こえてきた方を見ていた。 すると、奥に無造作に積み重ねられているダンボールの間から1匹の猫が出てきた。 その猫を見た瞬間、 太(神様ありがとう~!) 太一は心の中で叫んだ。 太(マジで助かった!でも、なんでこんなところにドールがいるんだ?まぁ、そんなの今はどうでもいいか。) そうダンボールの間から出てきたのは小さなリュックを背負った奇妙な猫、田原探偵事務所飼い猫のドールだった。 ドールはすぐに太一の所へやってきた。 もちろん足音を立てずに。 太(さすがドール完璧だ!…って、俺口がふさがれてんだから、ドールに指示できないじゃん!) ドールが来てくれたのはいいが、自分がしゃべれない事に気づき、がっくりと肩を落とす太一。 そんな太一の伸ばされている足の上にドールは乗った。
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