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何か小さな音がして、花矢が顔をあげると、花矢の目に映ったのは…。
花(太一と…猫…?が見える…。幻覚かな??いや、幻覚じゃない。本当に猫が太一のロープを切ろうとしてる。それに、太一の口のガムテープが剥がれてる!)
太一の手を縛っているロープを切ろうとしているドールと、口のガムテープが剥がれている太一だった。
そんな太一に驚いていると、花矢の視線に気がついた太一が、
太「あと少し我慢してて。もうすぐ逃げれるから。」
と小声で花矢に言った。
花「????」
太一の言葉が理解できないでいると、
太「詳しい事は後で話すけど。この猫は俺の知り合いだから味方だよ。」
太一はそう笑顔で言った。
そして、声の出せない花矢は戸惑いながらも頷いて、太一とドールの様子を見ていた。
が、
花(こんなことして、そこに立ってる黒スーツの人にはバレないのかな?)
花矢は黒①が気になり、そちらに視線を向けた。
花(あっ、あたしの位置はバッチリ見てるみたいだけど、太一の位置はダンボールが邪魔して見えないんだ。太一はこれに気づいてたのね。)
花矢は納得したように心の中で思った。
それから数十分後。
太「後少し、後少し!がんばれドール!…………おっしゃ!」」
太一の手を縛っていたロープが切れた。
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