・脱出

11/15
前へ
/791ページ
次へ
花「それで飼い始めたの?」 太「うん。これも何かの縁だろうって。義父が飼う事を許してくれたからね。」 太(まぁ、拾ったのは俺たちだけど、しつけをしたのは匡兄なんだよね。) 太一はドールをなでながら心の中でそう言った。 花「そっか。ドールちゃんについてはわかったけど、どうして今ここに居るの?」 太「えっと…実はおれもよくわかってないんだけど。どうも俺の後をつけてたみたいなんだよ。ドールは俺に1番なついてるから、俺を見つけるとずっとついてくるんだよ。」 太一は困ったような顔をして花矢にそう言ったが、内心は…。 太(ごめん花矢ちんウソついて。でも、矢沢栄吉の監視をさせてたなんて言えないしな。) と花矢に謝りながら言い訳を言っていた。 花「ねぇ、太一。もう1つ気になる事があるんだけど、ドールちゃんが背負ってるのってリュック?」 花矢はドールの背中の鞄を指さしながら言った。 太「うん。これは迷子になってもすぐに見つかるように背負わせてるんだよ。リュックを背負った猫なんてめったにいないから居なくなってもすぐに見つけられるから。」 太(おっし。我ながらいい説明。てか、リュックの中まだ見てないんだったな。匡兄何持たせてたんだろ?) 太一はドールのリュックの中を見ようと、リュックのチャックを開けた。
/791ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4273人が本棚に入れています
本棚に追加