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千「沢木はドールの存在には気づいてないみたいね。」
今だ位置を示す赤い光が消えていない事を確認しながら、千奈が言った。
匡「そうだな。まぁ、ラーよりはドールの方が気づきにくいと言えば気づきにくいだろ。ラーみたいに空を飛んで窓から入ってくるわけでもないし。事件のたびに働いてもらってるわけじゃないからな。」
千「そう言われればそうね。それに、ラーと違ってドールは気まぐれにしか事務所来ないものね。」
匡「そうだな。んっ、そろそろ太一の発信機の信号が途絶えた場所に着くぞ。降りる準備始めとけ。」
千「了解。」
それから10分後。
匡「ここだな。」
匡一は車を止めながら言った。
千「ここからは車では進めないって言ってたわよね。確かに、道が狭いわね。」
匡「あぁ。だから、ここに車を止めるスペースがあるんだろう。あいつらの乗ってた車がどこに行ったのかはわからないがな。」
匡一はまわりを見ながら、他に車がないかと確認した。
千「本当ね。ところで匡兄、もうパソコンいらないわよね。」
千奈は車の後ろでごそごそ何かをしながら匡一に聞いた。
匡「いらないな。ドールの位置は携帯でわかるしな。」
千「じゃあ、これだけ持って行けばいいわね。」
千奈はそう言って、小さめのリュックを背負った。
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