・その頃

2/10

4272人が本棚に入れています
本棚に追加
/791ページ
千「沢木はドールの存在には気づいてないみたいね。」 今だ位置を示す赤い光が消えていない事を確認しながら、千奈が言った。 匡「そうだな。まぁ、ラーよりはドールの方が気づきにくいと言えば気づきにくいだろ。ラーみたいに空を飛んで窓から入ってくるわけでもないし。事件のたびに働いてもらってるわけじゃないからな。」 千「そう言われればそうね。それに、ラーと違ってドールは気まぐれにしか事務所来ないものね。」 匡「そうだな。んっ、そろそろ太一の発信機の信号が途絶えた場所に着くぞ。降りる準備始めとけ。」 千「了解。」 それから10分後。 匡「ここだな。」 匡一は車を止めながら言った。 千「ここからは車では進めないって言ってたわよね。確かに、道が狭いわね。」 匡「あぁ。だから、ここに車を止めるスペースがあるんだろう。あいつらの乗ってた車がどこに行ったのかはわからないがな。」 匡一はまわりを見ながら、他に車がないかと確認した。 千「本当ね。ところで匡兄、もうパソコンいらないわよね。」 千奈は車の後ろでごそごそ何かをしながら匡一に聞いた。 匡「いらないな。ドールの位置は携帯でわかるしな。」 千「じゃあ、これだけ持って行けばいいわね。」 千奈はそう言って、小さめのリュックを背負った。
/791ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4272人が本棚に入れています
本棚に追加