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そして、
千「…あなた沢木に騙されてるわよ。」
と難しい顔をして千奈は言った。
和「騙されてる?」
千「そうよ。あなたもしかして、今まで沢木の起こしてきた事件について全く知らないの?」
和「緑さんが起こしてきた事件?」
千「沢木は人を殺して、指名手配中の殺人犯よ。」
和「えっ?!緑さんが人殺し?そんな嘘で俺を騙せるとでも思ってるのか。」
和雅はまだ立ちあがる事が出来ないものの、千奈を下から睨むようにして言った。
千「あなた本当に何も知らないのね。まさかこんな所で使うとは思わなかったけど…。」
千奈はそう言って、リュックの中に念のために入れておいた、緑に関する資料をまとめたファイルを出すと、和雅にそれを渡して読むように言った。
和雅はそれを受け取ると、すぐに中身を見た。
千(まさか知らないなんて…ただ単に企業潰すだけだからいいかって手を貸したのね。こうなると、国見の社長も沢木が指名手配中だって事はしらないわね。)
資料を見て、顔を青くしていく和雅を見ながら千奈は心の中で考えていた。
数分後。
千「どう?わかった沢木がどんな奴か。」
千奈はファイルを閉じた和雅を見て、そう声をかけた。
和「…あぁ…でも…俺、知らなかったんだ。緑さんがまさかこんな人だったなんて。」
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