・説教

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和雅は顔を下に向けて、呆然としたままそう言った。 千「みたいね。」 和雅がウソをついてないという事がわかった千奈は、呆れたような顔をしてそう言った。 そして、 千「あなたさっき『あんな腐った会社継ぐ気はない。』って言ってたけど、あたしから言わせると、なんでそんな会社を自分で変えようとおもわないの?」 そう言った。 和「自分で変える?」 千「そうよ。何が『だたの暇つぶし』よ。今のあなたは、殺人犯に手を貸す=共犯者になってるのよ。あなたは、そんなでも世間一般では国見の跡取り息子で通ってるのよ。あなたが沢木の今回起こす事件にかかわってるとなると、国見の企業にも大きなダメージを与える。」 和「…………。」 千奈の話を黙って聞く和雅。 そんな和雅を見ながら、さらに話を続けた。 千「『腐ってる』会社がもっと腐る…国見は一応大企業の1つ。このままだといつか確実に倒産するのは目に見えてるわ。よくても、どこかと合併ね。そうしたら、国見で働いている人はどうなるの?再就職が難しい人だってたくさんいると思わない?」 和「…思います…。」 あまりの千奈の気迫に、和雅はタジタジになりながら言った。 千「そうでしょ。なら、そうならないようにあなたが国見を変えていけばいいでしょ。国見を変えるのは、かなり大変だと思うけど、『暇つぶし』なんて言葉は出てこないと思うわよ。」
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