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太一が去って数分後。
太一と別れた場所から動いていない黒スーツの前に沢木が現れた。その顔に笑顔はなかった。
緑「原田君が一緒に居ないと言う事は、君が逃がしたって事だよね。」
緑は黒スーツのまわりをキョロキョロ見ながら言った。
黒「はい。命の恩人をみすみすあなたに差し出すなんてできませんから。」
緑「君も馬鹿だね。どっちにしても命は無くなるのに、変な義理だてしちゃってさ。あぁ、馬鹿なんだからそのブレスレットの存在も忘れておいてほしかったですね。」
黒「私もあなたの前から移動したときに思い出したんです。それまではこれの存在は忘れてました。」
黒スーツはそう言って自分の手首を触った。そして、覚悟を決めたように顔をあげ、緑を見た。
その瞬間。
緑「その目というか表情が気に入らないけど、さようなら。」
パンッ!!
緑が撃った銃の音が黒スーツの耳に聞こえた。
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