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太「うわっ!あぶねぇ…花矢ちんありがとう。そうだ!今のうちにお父さんを連れて早くここから逃げて!」
太一は勝也のパンチを避けて、花矢に向かってそう叫んだ。
勝「無駄無駄…よそ見して考え込んじゃってるお前なんかが俺の足止めなんてできるわけないだろ。言っとくけど、今のはほんの御挨拶だ。これからが本番だぞ。」
そんな太一に勝也はそう言って、次は太一の腹に向かって足をあげた。
太一はその足を腕で受け止めると、
太「花矢ちん早く!」
太一は栄吉の腕を縛っているロープを必死にほどこうとしている花矢に向かってもう一度大声で叫んだ。
花「で、でも父さんの手を縛ってるロープが解けないの!………あっ!」
花矢は焦ったようにそう言った後、何かを思い出したようにはいていたスカートの下にはいているショートパンツのポケットの中から何かを取り出すと、あっという間に栄吉を縛っていたロープを解いた。
その様子を黙って見ている太一と勝也。
太(えっ…何あれ…ピッキングセット+小型カッターセットなんて見た事ねぇんだけど!)
勝(えーっと今どきの女子高生はそういうものも持って行動するのか?)
花「父さん早く立って!」
栄「イテテ…それにしても花矢が無事でよかった。」
花「そ、そんな事より早く!ここにあたし達が居たら、太一が逃げれないじゃない!」
花矢は泣きそうになるのをこらえながら栄吉の腕を引っ張りながらこの場を去ろうとする。
勝「はっ!逃がすわけにはいかねぇんだよね。」
そんな2人のやり取りに、はっと我に返ると太一の手を振り払い、花矢達の所へ行こうとする勝也。
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