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勝也は太一の問いかけに答えると、すぐに太一との間を詰めて腕を掴んだ。
が、
勝「!!」
太「さすがに今のはわかるっての。」
掴まれた腕をすぐに振りほどく太一。
まさか簡単に振り払われるとは思っていなかったため驚く勝也。
太「俺だってそれなりに、色々な事をしてるんだ。そう簡単に倒されたりなんかしないぜ。」
太(あぁ!気迫に負けてる場合じゃないんだ。早くこいつをどうにかして花矢ちんを追いかけないと!)
太一は心の中でそう思いながら、驚いている勝也に言った。
そんな太一に、
勝「へぇ~、面白いじゃないか。少しは楽しませてくれよ。」
勝也も笑顔でそう言った。
ー・-・-・-・-・-
2人がそんなやりとりをしている頃、花矢と栄吉は林の中を歩いていた。
花「父さん大丈夫?」
栄「あぁ。少し頭を打っただけだから心配するな。それよりもお前が無事でよかった。」
栄吉は安堵したように微笑んで言った。
花「う、うわぁ~ん!怖かったよ父さん!」
そんな栄吉をみて花矢は耐え切れず泣きだしてしまった。
栄「ごめんな父さんがこんな所に花矢を連れてきたせいでこんな事に巻き込んじゃって。」
花「う、ううん。父さんだって…グスッ…今のこの状況が分かってないんでしょ。」
栄「そうなんだよ。それで、花矢…。」
花「何?」
栄「すぐにここから逃げなさい。」
花「えっ!」
栄吉の予想外の言葉に、花矢は下を向いていた顔をあげた。
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