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栄「じゃあ、知らなかったとはいえ、どうしてそんな事に手を貸したんだ花矢?」
泣きじゃくる花矢を見て苦しそうな表情を浮かべる栄吉。
花「……………。」
花(言えないよ。会社がつぶれてもいいのかって脅されたなんて。)
花矢は栄吉に理由を説明する言葉できず、泣き続けた。
栄「泣いてばかりじゃわからないだろ花矢。理由を話しなさい。花矢が自分から手を貸したわけじゃないんだろう?」
栄吉のこの問いかけに花矢は勢いよく首を縦に振った。
栄「それならどうして手を貸したのか理由を話しなさい。」
何回も何回も優しく聞いてくる栄吉に、花矢はとうとう我慢できず、今までの出来事を全部栄吉に話した。
数分後。
栄「すまない花矢…やっぱりあの時に話しておくべきだったんだ母さんの病気の事を。」
花矢の話を聞いた栄吉は、後悔した。
何故もっと早く花矢が苦しんでいる事に気付かなかったのか、そして何故母親の病気の事を隠してしまったのかと。
花「ううん…父さんだけのせいじゃない。最初に、あの男から話を聞いた時にすぐに父さんにあたしが話していればこんなことにはならなかった。」
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