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栄「いや、父さんが悪いんだ。他人の意見に流されて、花矢をこんな目にあわせてしまった。花矢、つらかっただろう、本当にすまない。」
栄吉は花矢を優しく抱きしめながらそう言った。
その時、
ガサッ…
2人の耳に草が揺れる音がした。
花「父さん…今、近くで音がしたよね。」
花矢は怯えた表情を浮かべ、栄吉にしがみついた。
栄「そうだな。花矢、ちょっと離すよ。」
栄吉はそう言って、花矢を1度離して自分の後ろに隠すような体制に変えた。
そして、音がした方に顔を向けた。
ガサッ…ガサガサッ…
草をかき分ける音がだんだんと近くなってくる。
そして、
??「何かここらへんから声がしたと思ったんだけど、気のせいかしら…あっ!」
と言いながら栄吉と花矢の前に現れたのは、
花「太一のお姉さん!」
千奈だった。
千「あら、思わぬ人たちに出会ったあね。でも、けがしてなさそうでよかったわ。」
栄吉と花矢の姿を見て、驚きながらも怪我をしていない事に安心する千奈。
千「2人とも早く山を下りて、ここにいちゃ危ないから。今、下りれば国見和雅さんが居るから車に乗せてもらえると思うわ。」
そしてすぐに、2人にそう指示した。
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