・花矢と栄吉

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花「いえ、あんな事でしか伝えられなくてすいません。でも、気づいてもらえてよかったです。」 千奈の言葉に、少しだけど安堵したようにそう言った花矢。 千「それで、今すぐにこの道を下りて行って、ブレスレットの分解に取り掛かってほしいんだけど…お願いできるかしら?」 花「はい!」 千「下にあるナンバー○○-○○の車の荷物入れに道具が入ってるわ。一通りの道具は揃ってるはずだから。」 花「わかりました!父さん早く行こう!」 2人の会話についていけず、黙って2人の会話を聞いてた栄吉に花矢が言った。 栄「…あぁ…。」 千「できれば、栄吉さんには残ってもらいたいんです。少し聞きたい事があるので。ほんの少しで良いので時間を下さい。」 栄・花「えっ?!」 千奈の言葉に2人が驚きの声を上げた。 花「あ、あたし1人で行くんですか?」 花矢は焦ったように千奈に聞いた。 千「そうしてもらえるとうれしいです。栄吉さんに少し話を聞かせてもらったらすぐに追いかけてもらいますから。」 千(…やっぱり、1人で行動なんてできないわよね…こんな状況で。でも、矢沢栄吉に話を聞いて、真実を確かめないと。) 栄「私に聞きたい事ですか?」 千「はい。なので、花矢さんに先に下りて、伝えてもらおうと思ったんですが。」 花「無理です!それに早く行ってあげないと太一が!太一何も持ってないんです!あたしに催涙スプレーもくれたし!」 花矢は、大きな声を出して一気にそう言った。
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