・真実

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千「私の父親は警察官をしていて沢木の母親の事件にかかわった刑事の部下をしていました。」 栄「それだけの事で…。」 栄吉は信じられないという風な様子で言った。 千「沢木は母親を殺した犯人を見つけられなかった事を理由にして殺害したんだと私たちは思っています。」 花「そんな…ひどすぎるよ!」 花矢は泣きそうな声でそう言った。 栄「じゃあ、原田社長があなた達を引き取ったのは…。」 千「私たちが自分と同じ目にあったからです。私たちには両親のほかに身寄りがなかったので、姉弟で別々の施設に入る予定だったんです。」 千(正確に言うと、匡兄の両親が殺害された理由はあたし達の両親とは違う理由だけど、そこまで説明してる時間はないのよね。) 千奈は心の中でそう思いながら、栄吉に説明をしていった。 栄「そうですか。じゃあ、あなた達は両親のカタキを打つために真実を追い求めてきたんですね。」 千「カタキ打ちはカタキ打ちですけど、沢木を殺そうなんて思っていませんよ。そんなことしたら沢木と同じになってしまいますから。」 その千奈の言葉を聞いて、栄吉は何かを決意したように千奈を見て口を開いた。 栄「……お話します。私が知っている事をすべて。今のあなたの話を聞いて話しないなんて言えなくなりました。」 千「ありがとうございます。」
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