・千奈と太一と勝也

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勝「2人同時に向かってきたとしても無駄だよ無駄。」 勝也はそう言って、千奈と太一の拳を受けとめようとした。 が、 太「考えが甘いっつうの。」 太一はそう言って握っていた拳を開き、拳を受けとめようとした勝也の両手を掴んだ。 勝「!!おいおい、怪我人が無茶するなよ。怪我ひどくなるぜ。」 太「怪我人だからってなめんじゃねぇよ!千奈!」 太一は勝也の両手を掴んだまま千奈を呼んだ。 千「太一、頭下げて!」 太一の背後に居た千奈がそう言って、太一の頭を下げさせ、勝也の顔面にパンチを1発お見舞いした。 勝「ぶっ!!」 千奈の拳は見事に勝也の顔面に直撃した。 そして、そのタイミングを見て掴んでいた手を離した太一。 手が自由になった勝也は、顔を押さえながら後ろによろけた。 ぬるっ…。 勝「!!」 顔を押さえた勝也の手には、鼻血がついていた。 鼻血が出ている事に驚く勝也。 そんな勝也の様子を見て、 千「油断してるからそういう目にあうのよ。」 千奈はすっきりしたような顔をしてそう言った。 太「なんかうれしそうだな千奈。」 千「あんなにきれいに拳が顔面に入るなんてめったにないから。いいわね、あれだけきれいに入ると。」 千奈はそう言いながら自分の手についている勝也の鼻血を拭いた。
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