・再会

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緑「だからさ、その後ろに居る人を早く僕に渡してくれないかな。」 緑は口に笑みを浮かべ、ゆっくりと匡一と黒スーツに近づいて行った。 匡(さすがの俺でも少しびびるな。このさっきのこもった目には。) 匡一はそう思いながらも、次の瞬間には、 緑「!!」 目の前まで迫ってきていた緑に殴りかかっていた。 匡一の突然の行動に驚く緑。匡一はそこを見逃すことなく、緑を押さえこんだままで、 匡「早くここから逃げろ!」 と黒スーツに叫んだ。 黒「で、でも…。」 いきなりの事に戸惑う黒スーツ。 匡「ここに居られても邪魔なだけだ!早く行け!」 そんな黒スーツにもう1度匡一が言うと、黒スーツは重い体を引きずってその場を後にした。 黒スーツが去った後。 緑「う~ん。さすが匡一。この僕の殺気感じて動いた一般人は匡一だけだよ。他の人はさ、さっきの人みたいに震えて動けなくなる事が多いのに。」 匡「………。」 緑の言葉に答えることなく、緑を押さえたまま黙っていた。 緑「そろそろ離してくれないかな。」 緑はそう言って、自分を押さえている匡一の腹を蹴ろうとした。 匡「そうくると思ったよ。」 匡一は緑の蹴りが当たる前に、緑を突き飛ばし距離を取った。
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