・再会

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太「おぅ。それよりもなんでまだこんなところにいるんだ?」 もう下に降りていると思っていた太一は不思議そうに言った。 黒「そんなことより!この先の所に原田匡一さんがいます。早く行ってあげてください!あの人相手に1人なんて無理です!」 その黒スーツの言葉を聞いて、 太「ビンゴ!ほらやっぱり沢木と一緒にいただろ匡兄!」 太一が千奈に言った。 千「そうみたいね。さっ、匡兄の居場所もはっきりとわかったし。さっさと行くわよ太一!」 太「了解!じゃあ、黒スーツ 気を付けて下まで降りろよ。」 千「下に降りたらそのブレスレット外してくれる子がいるから。」 太「ブレスレット?」 ブレスレットのことを知らない太一は首をかしげた。 千「それは匡兄の所に行きながら話すから。ほら、行くわよ!」 千奈はそう言って、太一の手を引っ張りながらその場を後にしようとした。 が、 ガサッ…ガサッ… またも草むらから人が出てきた。 千「!!何であなたがここにいるの?!」 栄「すいません!どうしてもペンションに取りに行きたいものがありまして。」 草むらから出てきたのは栄吉だった。 千・太「取りに行きたいもの?」 栄「はい。私のカバンの中に入っているパスケースなんですが。」 千「そんなに大切なパスケースなんですか?」 栄「はい。パスケース自体はいいんですけど、その中に大切なお守りが入っているんです。死んでしまった妻からの贈り物の。」
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