・再会

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そう言って、黒スーツを支え歩き始めた栄吉。 栄吉に支えられながら、黒スーツも歩き始めた。 そして、少し歩いた所で黒スーツが頭を千奈と太一の方に向け、ペコリと1度頭を下げたのだった。 そんな2人の姿が見えなくなったのを確認して、匡一のもとへと向かった。 千「さっ、あたし達も匡兄の所へ急ぎましょう。」 太「だな。まぁ、匡兄なら無事だろうけどな。」 千「そうね。」 太「あとさ。沢木と決着ついたらちゃんとパスケース取りに行くの忘れないようにしないとな。」 千「そうね。もしかしたら、沢木が隠してるかもしれないからそれも聞きださないと。」 太「うん。で、千奈のわかったっていう真実は沢木に会ったら話してくれるんだよな?」 千「そうよ。でも、大方の予想はついてるんでしょ太一。」 太「まぁね。さっ、匡兄の所へ行きながら、ついた時どうするかっていうシュミレーションを頭の中でしとこうかな。」 向う途中、早く真実を知りたい太一に、もう少し待てという千奈。そこで会話は終了し、匡一のもとへ着いた時どのような行動をするか頭の中で考える太一。 そんな太一を見て、 千「太一の予想以上に…悲しい真実になると思うけど…。」 千奈が最後にそう呟いた声は太一には聞こえなかった。
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