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「むーん……困った困った」
どうも皆さん、晃太です。
早速ですけど困ったことが起きました。
我が家の食糧が尽きかけています。
真っ白な冷蔵庫を開くと中身も真っ白。つまり、卵以外の食材が無い。
「買い出しに行かないとか……」
人前に出てもとりあえず恥ずかしくない服に着替え、相変わらずの暑さを感じながら人里へ向かう。
家から人里までの距離は一里にも満たないが、この暑さのせいか、はたまた運動不足のせいか、やけに遠く感じる。
着いたのは家を出てから……どれくらい経ったかなんて分からんわ。
「オヤジ! 水をくれ!」
「ハイよ!」
とりあえず喉を潤すのが最優先。
適当な甘味処に入って水を頼んだら、嫌がらせかと思いそうな量の水を出された。
「だが飲み干す」
数分かけて飲み干した後、団子片手に市へと顔を出す。
直感で片っ端から食材を買う。しばらくは人里へ繰り出さなくてもいいくらい買う!
買った物は片っ端から冷蔵庫に繋がる空間に放り込む。
買い物をしていて、少し疑問に思ったことがある。
「妙に野菜が少ない気が……」
「聞いてくれるか兄ちゃん!」
「のぉう!?」
ボソリと呟いたのを聞き取ったのか、店主が俺の肩を掴んで、まだ返事もしないのに何事か語り出した。
その内容を大体でまとめると……
「つまり、虫のせいで野菜が商品にならないぐらい被害を被っていると?」
「そうなんだよ! 狸や猪かとも思ったがよ、里のやつらで交代で見張りを続けてるからそれは無いってことが分かった」
「あと考えられる原因は虫だけってわけだ! チクショウが!」
「もちつけ」
なるほどねぇ……虫のせいで野菜がダメになってるのね。
うん、これはちょいとリグルに尋ねる必要があるか。
「よし……おっちゃん、俺にちょいとツテがある。任しておけ」
「ホントか!? 助かるぜボウズ!」
「俺、一応二十歳過ぎてるんだけど……」
「俺にとっちゃまだまだボウズだ! それよりも、任せていいんだよな?」
「オーケー」
なんか凄い期待の眼差しで見られてる。
こりゃ適当に済ませたら大変なことになるかもな。
くわばらくわばら……。
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