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「蛍と言えば……リグルか」
話によると、去年の夏はリグルが自身の能力を用いて蛍を集め、まさに幻想郷の名に相応しいそれはそれは綺麗な蛍の光を見せてくれたらしい。
「もうちょっと……拉致られるのが早ければなぁ」
「……待てよ?」
記事を見ながらふと考える。
この記事によれば、この光が見られたのは昨日とのこと。つまり、俺の予想が正しければ、その幻想の風景を見れるのはもうすぐのはずだ。
まぁ、正しければなのだが……。
「ふむ……どうせなら本人に尋ねてみるか」
善は急げ、思い立ったが吉日。
適当に着た服を脱ぎ捨て、夏らしく甚平を着て外にでる。もちろん、クーラーの電源を切ってから。
「レッツゴー」
一歩家の外へ出ると、太陽が容赦なく熱線を浴びせてくる。暑い上に熱い……だが我慢する、男の子だもん!
「『冷えろ』」
でもやっぱり限界というものがある。
周りの大気に命令をして外気温を下げる。
「おぉ、快適快適」
しばらく歩くと、どこぞの夜雀御用達の森に着く。夜雀以外にもまぁ色んな妖怪がいるけど、まぁ下級だから怖がらなくてもいいや。
「お、茸……赤白まだら?」
珍しい物を見ると蒐集家の血が騒ぐわけでして。
茸を傷付けないように取り
「『開け』」
何もない空間へと片付ける。
さて、こんなことをしにこのクソ暑い中森まで来たわけじゃないんだがな。
なかなかどうして、リグルどころかミスティアすら見つけられん。
「仕方ない……使いたくなかったが……」
軽く四次元化しているポケットからバルサ〇ンを取り出す。俺の手による改良済みだ。
「おーいリグルかミスティア、いたら聞けー。今すぐ出てこないとお前らにとっての毒を撒き散らす、命惜しくば出てきやがれー」
「ちょっと待てー!」
言ってすぐに出てきたのは目的の人物、リグル・ナイトバグその人……人?
まぁ容姿は人だからいいや。
「やっとこ見つけた」
「その前に、その手に持ってる何かをどこかにやって。何か雰囲気が恐ろしいから……」
「ハイよ」
さらばバ〇ルサン。
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