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──ドンッ──
鈍い音と共に、女が倒れ込んだ。角を曲がろうとした際に、死角から現れた人物とぶつかってしまったのだ。
「ぐあぁ!目が!目があぁぁ!!」
とろりと蕩けたチーズが、女の顔から道に落ちたトーストの間を繋いでいる。流石は熱々のチーズである。顔面に当たれば、それは熱いだろう。
「わ…悪い!」
女の頭上から、男の声が降ってきた。と同時に、ばたばたと走り去る足音。どうやら、その男はかなり急いでいたようだ。
取り残された女は、暫く悶えつつ、顔に付着したチーズと油分を拭い取り、トーストを置き去りにしたまま学校へと向かった。
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