賢者と好奇心

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どうやら目の前の兵士以外に見張りはいないようだ。 ならば実力行使に出るとするか。 我が1歩踏み出すと、兵士は身動ぎし、槍を持つ手に力を込め、槍を突き出した。 この時点で目の前の男が犯したミスは3つ。 まず、声を掛ける前に槍で攻撃すべきだった。 不意討ちなら、手傷を負わせられたかもしれん。 次に、恐怖を抱いたまま攻撃するのは愚の骨頂。 腰が引けてまともに突けておらん。 最後に、我に対して1人で向かってきた。 踵を返し、仲間を呼びに行くのがこの場合の正しい選択。 まぁ逃がしはせんがな。 あまりにも遅い突きを身体を回転させてかわし、背後に回り込むと回転の遠心力で兵士の首に手刀を打ち込む。 首を切り落とさぬよう加減したが、兵士はあっさりと意識を刈り取られ、煉瓦の地面に口付けをした。
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