賢者と好奇心

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我の人相を隊長に伝えた男は、首を固定し鼻にはガーゼのような物で覆われていた。 『いささかやり過ぎたか?見ているだけで痛々しい。』 「その言、この者への暴行の告白とみて良さそうだな。」 隊長の男が腰に差した鞘から両刃の長剣を抜き放つと、周りの兵士達も各々武器を構えた。 「抵抗するなら切り捨てろ!全員、かかっ…」 隊長の男をはじめ、兵士達が身体を強張らせた。 中には地面に膝をついた者もいた。 「なっ…何をした!」 隊長が我を睨み付けている。 我が何をしたのか理解出来ていないようだ。 我が何をしたのか。 それは覇気。覇気とは武芸の達人の放つ殺気。 弱い生物であれば、覇気を受けるだけで死んでしまう。 セントリィンの兵士は優秀だ。 我の覇気を受けても、皆意識を保っている。
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