2831人が本棚に入れています
本棚に追加
我の人相を隊長に伝えた男は、首を固定し鼻にはガーゼのような物で覆われていた。
『いささかやり過ぎたか?見ているだけで痛々しい。』
「その言、この者への暴行の告白とみて良さそうだな。」
隊長の男が腰に差した鞘から両刃の長剣を抜き放つと、周りの兵士達も各々武器を構えた。
「抵抗するなら切り捨てろ!全員、かかっ…」
隊長の男をはじめ、兵士達が身体を強張らせた。
中には地面に膝をついた者もいた。
「なっ…何をした!」
隊長が我を睨み付けている。
我が何をしたのか理解出来ていないようだ。
我が何をしたのか。
それは覇気。覇気とは武芸の達人の放つ殺気。
弱い生物であれば、覇気を受けるだけで死んでしまう。
セントリィンの兵士は優秀だ。
我の覇気を受けても、皆意識を保っている。
最初のコメントを投稿しよう!