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“久しぶりに会話をしているからなのか、あるいはこの少女だからなのか”
龍は考えている自分に失笑し、ミカに気になったことを聞くことにした。
『ミカ、どうしてこのような何もない所へやってきたのだ?まさか迷子という訳ではあるまい。』
迷子という言葉に、そんなに子供じゃないわと怒ったように膨れっ面をしたかと思うと、ミカは頭に手を当てて考えはじめた。
艶のある黒髪を左右に揺らしながら、小さな腕を組んで悩む様は愛らしく、龍はついつい頬が緩むのを感じた。
『そうだわ!』
ポンと拳を手のひらに乗せ、あげたミカの顔はとても嬉しそうだった。
「ねぇ?ここにはすっごく恐い龍がいるんだって。あなた、その龍の住んでる所、知らない?」
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