0人が本棚に入れています
本棚に追加
「おまたせ。はい、これ」
「かざぐるま・・・どしたの、これ」
「合格祈願行った時神社で見つけてさ、あおいが思い浮かんだ」
「ありがとう・・・」
「髪、伸びたな」
「たーくんも・・・」
目が合って、そらすこともできなくて、どうしようかと思った瞬間、けたたましく電話のベルが鳴った。
「うわ!ごめん、あおい!」
「いいよ、キットカット渡したかっただけだし。風邪気をつけて、受験頑張ってね」
これでいいんだ。これでいいの。
たとえ想いが届かなくても、こうしてかざぐるまを見る度に私を思い出してくれる君でいい。
北風に吹かれ、かざぐるまは勢いよく回った。
最初のコメントを投稿しよう!