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私が12歳、あなたが14歳の夏休み、久しぶりに川に遊びに行った。
小学校の時は毎日あちこち走りまわってたのに、あなたが中学校に行ってから、うんと遠い存在になってしまった。
「久しぶりだね、こうして歩くの」
私は川へ向かう畦道を上手くバランスをとりながら振り返った。
「そうだな、久しぶりだな」
「ねぇ、どうして急に誘ってくれたの?」
「んー、なんとなく」
「ふーん・・・」
私は中学に行って一気に大人びた幼馴染がなんだか憎たらしかった。
「たーくん、川まで走ろう!」
「おい!こけんなよ!」
こうして二人で走っていると、いつものあなたに戻る。
私は買ってもらったばかりの水玉模様のワンピースで砂利道を走り抜けた。
「たーくんおそーい!オジサーン」
私は両手を振ってたーくんに声をかけた。
「ばーか、手加減してやったの。置いてったらおまえ、泣くだろ?」
「もう泣かないもん!もう小6なんだからね!」
「どうだか」
そう言ってあなたは私の頭をぐしゃぐしゃ撫でた。
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