決意

5/27
前へ
/348ページ
次へ
「ただ冷静なだけでは、軍師は勤まりませんよ。」 「あ…いや、まあ、そうだよな。ははは。」 小声で言ったはずなのに、周瑜には聞こえていたらしい。 孝彦と祥太は、声をあげて笑った。 「さて周瑜よ、これからどうする?」 孝彦が周瑜に尋ねた。 以前、曹操と戦う前は、隣の荊州を攻める予定であった。 「そうですね…このまま荊州を攻めるのは難しいですね。」 「やはり呂布か。」 孝彦が嫌そうな表情をした。 最強の武人である呂布の元には、知勇兼備の名将張遼と関羽がいて、それを支える劉曄と郭嘉がいる。 兵力的には互角だったが、曹操の領地を吸収した呂布の兵力は、孫策軍よりも強大になっていた。 「あのさ、俺達の本拠地って…どこ?」 孝彦が周瑜に尋ねた。 周瑜は、呆れた表情をしながら教えてくれた。 「建業ですよ。ただ、呉郡は制圧していません。」 「なら、荊州を攻める前に、呉郡を制圧しよう。」 孝彦は後方の憂いを断つことにした。 孝彦としては、きちんとした基盤を築いてから、本格的な進軍を開始するつもりだった。 周瑜は孝彦の意見に賛成したらしく、何も言わなかった。 しかし、祥太は違っていた。
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

800人が本棚に入れています
本棚に追加