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「ただ冷静なだけでは、軍師は勤まりませんよ。」
「あ…いや、まあ、そうだよな。ははは。」
小声で言ったはずなのに、周瑜には聞こえていたらしい。
孝彦と祥太は、声をあげて笑った。
「さて周瑜よ、これからどうする?」
孝彦が周瑜に尋ねた。
以前、曹操と戦う前は、隣の荊州を攻める予定であった。
「そうですね…このまま荊州を攻めるのは難しいですね。」
「やはり呂布か。」
孝彦が嫌そうな表情をした。
最強の武人である呂布の元には、知勇兼備の名将張遼と関羽がいて、それを支える劉曄と郭嘉がいる。
兵力的には互角だったが、曹操の領地を吸収した呂布の兵力は、孫策軍よりも強大になっていた。
「あのさ、俺達の本拠地って…どこ?」
孝彦が周瑜に尋ねた。
周瑜は、呆れた表情をしながら教えてくれた。
「建業ですよ。ただ、呉郡は制圧していません。」
「なら、荊州を攻める前に、呉郡を制圧しよう。」
孝彦は後方の憂いを断つことにした。
孝彦としては、きちんとした基盤を築いてから、本格的な進軍を開始するつもりだった。
周瑜は孝彦の意見に賛成したらしく、何も言わなかった。
しかし、祥太は違っていた。
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