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「惜しいっ、兄さん頑張れぇ~」
その後
悠二は皇英の選手に危険人物と認定され厳しい守備にあい前半は開始早々のシュートだけに終わった
チームも皇英の猛攻に辛うじて持ちこたえ前半は引き分けた。
「お父さん後半はどうなるの、勝てそう?」
「難しいな、あれだけ攻められたんだ大分疲れているはずだ」
父親のその言葉に彩乃は小さな肩を落とした
和樹にしてみても勝って欲しいが前半の40分の殆どを相手側の独壇場であった、それを見れば和樹も消極的な意見しか出てこなかった。
「でも悠二なら、ッ!?」
「お父さん?」
話しを続けようとしたその時、和樹はいきなり言葉を詰まらせた
それを見て彩乃はすぐさま父親の様子を伺ったが和樹は普段と変わらない表情であり、苦しそうな顔ではなかった。
「何でもない、ちょっと応援し過ぎたみたいだ……」
「そう、無理しないでね……」
あぁと言うと彩乃から手渡されたお茶を体に流し込んだ
ある程度飲むと再び和樹は彩乃にお茶を返すと『トイレに行く』と言い席を立った。
そしてそれが運命の歯車の廻り始めだったのは彩乃は気付けなかった……。
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