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「当たり前、だろ……俺が好きなったのは……たった一人、朋華だけ……だって…………」
「うん……」
真実の想いを涙で噎せながら朋華に伝えていく
それは朋華にも伝わり彼女もホロリと一筋の輝きを流した。
「ありがと、和樹君、でも……」
「でも、何だよ……?」
一瞬
柔らかかった表情が曇り歪んだ気がした朋華だった
そして次に和樹を見据えた時は少し哀しそうな表情がそこにはあった。
「まだ、私の所に来るのは早いよ、二人が……うぅん皆が和樹君の事を待ってるから」
「朋華、それって……」
「和樹君、もう少しだけ悠二と彩乃をお願いします、それと幸せになって……和樹君」
そう言うと朋華が浮かんでいる輝きが優しい光を放ち和樹の周りの漆黒を消し去っていく
すると闇の中へと向かっていた足は軽くなり自分の意志で動かせるようになった。
「朋華一緒に行こう、また二人で」
「それは出来ないの、私はもう……」
「それでも行ける所まではっ!!」
首を横に振る朋華
その表情には悲しい色しかなく苦しそうであった。
和樹も朋華がいないのは分かっていた
だが、想っている人を前にして本当の気持ちは抑え切れなかった。
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