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今まで我慢していたのであろう
その言葉を絞り出すように発すると彩乃のは和樹のベッドに倒れるように体を投げ出すと号泣した。
和樹もすまないと言う懺悔の気持ちを込めて彩乃の頭を優しく撫でていた。
「彩乃さん、お父さんの具合…っ!!」
その時だった
回診にきた看護師の女性が目覚めたばかりの和樹に気付き元来た方向へと消えていった
そして対した時間も経たずに和樹の担当医の男が看護師と共に飛び込んできた。
「大蔵さん、私が分かりますかっ!?」
「はい、ご迷惑をおかけてしてすいません……」
「先生、数値は安全域にあります」
看護師の読み上げた数値と軽くだが診察した和樹の様子から峠は越えたと本人と娘の彩乃に告げた。
「大蔵さん、今回は突発的な発作でしたので貴方自信も分からなかったのでしょう?」
「えぇ、少し声を出してトイレに行く途中で……胸が苦しくなって、後は……覚えてません」
「事の成り行きは娘さんからお伺いしました、ですが今回は本人に助かったのが奇跡でしたよ」
担当医の話しによると和樹が倒れてるのを発見し、この病院に運び込んだ時点で既に心停止しており、緊急措置の間にも何度も停止していた
だが、その度に和樹の心臓は鼓動を再開し動き続けた。
そして
息を吹き返す度に和樹は『朋華』と呟いていた
そう告げられた。
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