……彼方の君へ……

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(さようなら……大好きな和樹君) 「俺もだ、大好きだよ朋華……」 スッと抱擁を解くとその間に風が入り込み朋華を包み込んでいく そして彼女との別れ際、和樹はフッと微笑みを向けた。 「生まれ変わっても、必ず幸せにする……今度はもっと一緒にいてもっと幸せにするからなっっ!!!!」 大粒の涙を流しながら精一杯に首を縦に振り続けている朋華 和樹も去り行く彼女にありったけの想いを叫び、そして涙を流した。 (ありがとう……和樹君、また、ね) 『さようなら』ではなく『またね』を選んだ それは朋華が和樹の言葉を受け入れた証でもあり、『きっと会える』という意味でもあった。 そして その言葉と幸せそうな笑顔を残して彼女、朋華は姿を消した そして 何事も無かったかのように夏の風が駆け抜けた。 「必ず、また会おうな……朋華」 夏の突き抜けるような青空に投げ掛けると和樹は歩き出した 決して強くない和樹だが今の彼の胸には朋華との約束がある その約束に向かいまた一歩、和樹は歩き出した 遠い遠い 遥かなる道のりを……。
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